トリマーの眼!

凄腕トリマーによるペットに関するコラム
大人気!第13回は…【クーちゃんは魔法使い?】

新しく家族の一員としてやってきたチワワの赤ちゃんが慣れない環境に戸惑い、ちょっと目を離した隙に家具などの隙間に入り込んで身動きが取れなくなったり、ホットカーペットなどの電気コードを誤って噛んでしまった為に感電して大ケガをしてしまうなど、日頃からワンちゃん達の思いもよらない行動については本当に注意が必要です。
さて、そこで今回は、これまでたくさんのワンちゃんやネコちゃん達と出会い、そしてその体験の中から幾つものことを学んできた私ことまめたろうが選んだ思いもよらない行動をとるワンちゃん達の中で見事にチャンピオンに輝いた?(笑)ミニチュア・ダックスフンドのクーちゃんについてのお話です。
それは今から2年ほど前の暑い夏の日の出来事でした。クーちゃんは、飼い主さんが熱中症で緊急入院された為、3日間ほど私がお預かりすることになったのですが、それから間もなくペットマンションとよばれる犬専用に作られた丈夫な犬舎の外側に付いている扉のフックに気がついたようで、内側から器用に前足を差し出して、そのフックを斜めからなんと140度以上も手前に!引っ張り上げ勝手に外に出てしまうようになったのです。もともとその扉は犬専用に設計された頑丈な造りですので、ワンちゃん達が難しい角度から手を差し出して仮に触れたとしてもそう簡単には動かせない構造になっています。ですから私はそんな丈夫で重たいフックがなぜ動いたのかが不可解でなりませんでした。しかしそれでもまあ、その時はたまたま私が十分にフックを下ろしていなかったのが原因だろうと勝手に決めつけていたのです。ところがそんな不可解な出来事が僅か数十分の間に立て続けに起こった時、私は、犬舎の外で悠々と遊びまわっていたクーちゃんの顔をまじまじと見つめ、正直怖くなってきました。
よく、YouTubeなどの動画サイトでは、ワンちゃんやネコちゃんたちがお部屋のドアノブに手をかけたり、ぶら下がったりして簡単にドアを開けてしまうという映像を目にすることがありますが、そんなこととは比べものにならないほどクーちゃんの学習能力はすごいわけでして、今から考えるとクーちゃんは、私が扉を開ける度にじっとそれを観察していて、私がいない間に前足を器用に差し出して試行錯誤を繰り返しながら、ついにはその開け方を完全に会得してしまったに違いありません。(クーちゃんは更にその翌日にも、私の目の前でドッグランのフェンスの簡易施錠を鼻先でポーンと跳ね上げて、いとも簡単に開けて見せたりもしました。)
幸いにも、クーちゃんの場合には、犬舎から出てしまった際にケガなどはなかったからよかったのですが、それ以来、私は、「やっぱり、何事にも絶対ということはないんだ!」と、改めて自分自身に言い聞かせ、すべての物事にあたるよう心掛けています。
それにしても、ヒト以外の生き物で、クーちゃんのようなスゴ技を見よう見まねでしかも短期間で習得できるのは、きっと、おサルさんかラスカル君(アライグマ)くらいしかいないのではないでしょうか?(しかも、クーちゃんの前足は、ダックスフンドの中でも、かなり短いほうだというのに(笑)。クーちゃん、失礼!)
読者のみなさんは、普通のワンちゃんでは到底考えられないような行動をとるいわば、ワンちゃん界のルパン三世(クーちゃん)について(笑)、どのようにお感じになられたでしょうか?

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前田 勉
2002年、福岡市博多区でJKC公認トリマー資格取得。2003年、地元である大分県中津市で「まめたろうペットホテル&トリミング」を開業。以来「ワンちゃんが、ホッと安心してくれるトリミングの方法があります。」をキャッチフレーズに、多くのワンちゃんたちの幸せと健康のサポートに努め、飼い主さんからは「まめたろう先生」と呼ばれ親しまれています。常識にとらわれない、やさしく丁寧なトリミングの方法は、今も進化を続けており、多くのファンから支持されています。趣味は、読書、乗馬。