昔から「風邪は、万病のもと」と言われますが、口臭の原因となる歯周病もまた、心疾患など様々な病気を引き起こす原因の一つになっていることが、近年、犬の場合でも問題視されはじめています。
実際には、「うちの子はもう高齢犬だから、お口の中が臭いのは、ある程度は仕方がない。」と最初から諦めている飼い主さんも多いようですが、実は、少しの工夫でワンちゃんのお口の中の、特に歯グキは見違えるほど健康な状態に回復します。
まず、そのための手段として最初に考えられることは、獣医さんにワンちゃんの口腔内を診察して頂き、可能であれば歯石をスッキリと取って頂く、いわゆるトゥース・スケーリング(歯石除去)という方法があるということです。しかし、ワンちゃんのお口の中は、唾液のpH(ペーハー)値が8~9と弱アルカリ性(人の場合はpH6~7の中性)であるために、最短で2~3週間もすると歯こうはすぐに歯石化して、口臭の一番の原因でもある歯周病へと移行してしまうケースが多いそうです。ですから獣医さんから歯石を取って頂いた直後に、ここで飼い主さんは、何か一工夫する必要があるわけですね!具体的には、やはり地道にハミガキをしてあげるということなのですが、その際に使用するハブラシの種類に、実は大切なポイントがあります。私は、職業柄いろいろな犬専用のハブラシでワンちゃんのお口の中をケアしてきましたが、ハブラシの形状が複雑であったり小さすぎたりして、価格が高い割には意外と使いづらい場合が多く、正直困っていました。それで、たとえ小型犬でもお口が大きめのワンちゃんには、試しに「超極細毛(やわらかめ)」などと表記された人間用の毛先が非常に細くて柔らかいタイプのハブラシを使ってみたところ、比較的ワンちゃんからの評判も良いようで(笑)、更に歯グキのマッサージ効果も抜群ですから、私自身とても重宝しています。
犬用のハブラシも、これから更に進化して、ワンちゃんのお口のサイズに合った様々なタイプのものが出てくるとは思いますが、いずれにせよ口腔ケアは、ワンちゃんの健康を維持していくうえで、とても大切ですので、飼い主さんも面倒くさがらずにハミガキを実践されますと、たとえシニア(高齢)のワンちゃんでも歯グキの血行が非常に良くなって、スローエイジング(老化減速)効果が十分に期待できますよ!
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口臭は、万病のもと?
次回は、[キレイ+キレイ=クサイ!]です。お楽しみに!